小川 一平(おがわ・いっぺい)

1997年6月3日生まれ。神奈川県逗子市出身。右投げ右打ち。身長183cm、体重82kg。ニックネームは自身と同じ名前をブランド名に使用する明星食品のカップ麺シリーズにちなんで「一平ちゃん」。大学生時代に2週間には1回のペースで「一平ちゃん」のカップ焼きそばを食べていたとのことで、阪神と仮契約を結んだ際には「一平ちゃん」のテレビCMに出演することを目標に挙げていた。

長身から投げ下ろす最速152km/hのストレートを中心に力で押していくスタイル。変化球では「パワーチェンジ」と自称する力強いチェンジアップの他、スライダー、カットボールなどの変化球を織り交ぜる。

逗子市立逗子小学校の2年時に「逗子オリーブス」で軟式野球を始める。4年時からはもともと肩が強かったこともあり、投手を務めた。

逗子市立逗子中学校の在学中には同校の軟式野球部に所属。200mトラックを年始に100周させられたといい、当時については「走ることが嫌いだったので、あれ以上にきつい練習はない、鍛えられた」と語っている。

高校は神奈川県立横須賀工業高等学校へ進学。2年の秋からエースの座をつかんだものの、2年の秋と3年の春に相次いで故障。また、3年夏の神奈川大会では1回戦で完投勝利を収めたものの、2回戦で敗れたため、在学中は甲子園球場の全国大会とは縁がなかった。高校卒業時のMAXは141km/h。

高校卒業後は熊本県の東海大学九州キャンパスへ進学。ただ、入学直後の2016年4月に熊本地震で被災し、一時は、避難生活や実家への帰省を余儀なくされた。また、チームもこの年に九州大学野球のリーグ戦出場を辞退している。その後は2年の春季リーグ戦から出場を再開すると、主にクローザーとして3勝をマーク。先発でも完投勝利を記録したほか、チームを11年振りの全日本大学野球選手権出場に導いた。2年時の冬には大学日本代表候補の合宿にも参加している。ただ、先発へ本格的に転向した3年時の9月に腰痛を発症。更に4年時には他の部員の不祥事によってチームが春季リーグ戦への出場を辞退したものの、秋季リーグ戦で敢闘賞を受賞した。

2019年のNPBドラフト会議で、阪神タイガースから6巡目で指名され、契約金3,000万円、年俸700万円で入団。担当スカウトは田中秀太で背番号は66。

プロ入り1年目となる2020年は二軍の春季キャンプを経て、オープン戦の後半から一軍に合流。5月31日の紅白戦でストレートが自己最速の152km/hを記録したことから、一軍のセットアッパー候補として一躍注目された。その後は練習試合で他球団を相手に中継ぎの経験を積んだ末、新人選手としてただ1人開幕一軍入り。大学から直接阪神へ入団した新人投手が開幕戦で一軍登録されるのは、日本大学から2000年に入団した吉野誠以来20年振りであった。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れたこのシーズンでは6月20日に、読売ジャイアンツとの開幕カード第2戦(東京ドーム)の7回裏に救援でデビュー。しかし、暴投や自身の失策などをきっかけに5点を失ったため、2死を取っただけで降板した。以降も一軍公式戦13試合に救援で登板したが、防御率が一時10点以上に達するなど投球内容が安定せず、勝敗が付かないまま8月17日付で出場選手登録を抹消。その後はこの年限りで現役を引退する藤川球児から一軍帯同中に投げ方を教わったフォークボールを新たな武器に、ウエスタン・リーグ公式戦5試合の登板で防御率1.50という成績を残したことから、9月3日に再び登録されている。シーズン通算では21試合に登板して防御率は4.71。オフには250万円アップとなる年俸950万円で契約を更改した。

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